男性不妊

二人目妊活がうまくいかない。二人目不妊の原因は男の精索静脈瘤?

一人目は自然妊娠で簡単に生まれたのに、二人目の妊活はうまくいかない。これを”二人目不妊”といいます。女性の加齢による卵子の質の低下や新たな病気ができたなど、女性側の問題がしばしば取り上げられますが、実が多くの場合男性側に問題があります。男性も加齢に伴い妊娠率が低下することが明らかになっていて、かつ不妊要因があるとその速度が加速します。二人目不妊の原因の78%が男性の精索静脈瘤という病気であると分かっています。精索静脈瘤は治療可能な不妊の代表であります。そのため、二人目不妊の検査には男性側の検査を必ず行う必要があります。

あまり語られることのない、”精子側から考える”二人目不妊について現役医師のドクターぬんが解説します。

二人目不妊とは?

「一人目は自然妊娠で簡単に生まれたのに、二人目の妊活はうまくいかない」ことを二人目不妊といいます。昔は結婚年齢が若かっため、二人目で問題が生じることがありませんでしたが、現代では30歳を超えて妊活を始めるカップルは少なくありません。しかし、妊娠率は年齢とともに加速度的に低下していきます。一人を30歳で産んだとして、二人目が33歳になると妊娠率がかなり落ちているために不妊治療が必要となるカップルが少なくありません。多くの場合、二人目不妊の原因は女性の加齢が原因だと考えられがちですが、実は男性側の原因が多いことが明らかになっています。

男性も加齢により妊娠率が低下する?

70歳男性と20代女性の年の差婚などがしばしば報道されるため、男性の妊娠率は加齢の影響を受けないというイメージがあります。これは間違いです。確かに女性の閉経のように明確なリミットはないものの、精子の質は確実に加齢とともに低下していきます。近年は女性と同じように35歳までに男性も妊活を終えた方がいいという意見が男性不妊の専門家の中でも一般化してきています。特に、以下で紹介する精索静脈瘤などの男性不妊の原因となる疾患があると、加齢により妊娠率が低下しやすいことが明らかになっています。女性の加齢について「羊水が腐る」などという失礼な表現もありますが、確実に「精子も腐って」います。(医学的に適切な表現ではありませんが)

精子索静脈瘤とは?

精巣の近くの静脈のコブで、日本人の6人に1人にあり男性不妊の約30%をしめます。(あると必ず不妊になるわけではありません)原因は不明ですが、突然でき年齢とともに大きくなっていきます。

・一人目のときにはなかったが、二人目の妊活前にできた
・一人のときには小さかったものが、大きくなった
ということが、しばしば起こるため二人目不妊の78%をしめます。

どんな病院で検査をすればいいの?

精索静脈瘤を専門にするのは不妊治療を専門にする泌尿器科医です。かつては一般の泌尿器科医も扱っていましたが、最近は不妊治療の専門性が高まっているため、専門の医師にかかる必要があります。産婦人科で相談すると不勉強な先生は精索静脈瘤の治療の重要性を理解していないことがあるので注意してください。

どんな検査をするの?

精液検査で精子に問題がないか確認するのに合わせて、超音波検査・触診(触る)・視診(見る)で診断を行います。痛みは一切ありません。看護師が同席しないなど男性が診察を受けやすい環境を整えているクリニックが多いです。

どんな治療をするの?

抗酸化剤(コエンザイムQ10など)の内服も少し効きますが、手術が圧倒的に効果が高いです。

精索静脈瘤の手術については以下の記事で詳細に解説しています。
精索静脈瘤は手術で治る。保険適応で不妊治療を効率化。

治療効果は?

約70%に改善が認められ自然妊娠が可能になったり、不妊治療を行うにしても成績が向上することが明らかになっています。不妊治療全体にかかる費用を抑える効果が科学的に証明されています。

執刀医はどうやって選べばいい?

泌尿器科専門医を持っていることは最低限の条件です。精索静脈瘤は顕微鏡を使った特殊技術が必要であるため、専門的なトレーニングを積んだ医師を選ぶ必要があります。年間100例以上は執刀している専門医を選ぶといいです。

手術全般の執刀医の選び方についても他記事で詳しく解説しています。
手術の執刀医を選ぶ失敗しない方法6選。人生を託せますか?

男性の治療に参加することが不可欠

以上のことから、二人目不妊には男性も治療に参加することが不可欠であることが、ご理解いただけたと思います。不妊=女性の病気という先入観があるために、女性ばかりが検査・治療を受けて結局うまくいかないという事態が沢山起こっていて、精子の専門家として非常に残念でなりません。女性の検査は内診も超音波でも何をやっても痛みを伴いますが、男性の検査は採血以上の痛みは全くありません。(精神的な負担は大きいですが)そのため、男性も積極的に不妊の検査を受ける必要があります。

他記事で二人目不妊に限らず不妊治療全般で、男性にも治療が必要な理由を解説してます。
不妊治療が男性にも必要な3つの理由ー男女2人ではじめる

まとめ

・二人目の妊活がうまくいかないことを”二人目不妊”という
・男性も加齢で妊娠率が低下
・二人目不妊の78%が男性の精索静脈瘤による
・精索静脈瘤は手術で治療可能
・男性も治療に参加することが大切