男性不妊

精索静脈瘤は手術しないで漢方など薬で?放置して自然治癒する?

結論から言いますと、薬だけで劇的に改善することはなく、放置すると進行します。手術が大きな効果があるのでスタンダードな治療です。漢方や抗酸化剤などを併用することで相乗効果を期待できます。そうは言っても手術は怖いもの、できるだけ手術を避ける方法も紹介します。

精索静脈瘤とは?

男性の6人に1人ある精巣の上のコリっとしたシコリです。血液の流れが悪くなり精巣の温度が上昇や酸化ストレスなどにより、精子や男性ホルモンを作る機能が低下していしまます。男性不妊の30%をしめます。精巣や下腹部に鈍い痛みを自覚することもあります。昔はなかったのに気づいたらできていて、年齢とともに少しずつ進行する病気です。

男性不妊と精索静脈瘤についてもっと知りたい人は下記リンクへ
左の精巣(金玉)にシコリがあって痛い。精索静脈瘤の疑いです。

薬で治る?

いくつか有効な薬がありますが、単体では劇的な効果は期待できません。しかし、手術と併用することで相乗効果を得ることができます。

コエンザイムQ10(抗抗酸化剤)

精索静脈瘤による男性不妊には酸化ストレスによる精子のDNA損傷率の上昇が原因の一つです。抗酸化剤にも色々あるのですが、特にコエンザイムQ10の有効性が高いです。この手のサプリメントはネットで沢山売られていますが、質の悪いものや偽物も多いので注意が必要です。

漢方

漢方で大きな効果を得るためには、「この病気にはこの薬」と西洋医学的な処方をするのでなく、東洋医学的な特殊な診察に基づいて患者さんごとのオーダーメイドの処方が必要です。精索静脈瘤でよく処方される薬を紹介します。漢方に精通した薬剤師や漢方専門医の診察の上、内服することをオススメします。

・桂枝茯苓丸
血の流れを改善するタイプの漢方です。精索静脈瘤は静脈のコブにより精巣の血流が悪くなる病気です。これを改善する効果を狙います。

・桃核承気湯
同じく血の流れを改善するタイプの漢方です。桂枝茯苓丸が効かなかった場合によく処方されます。

放置して自然治癒することは?

自然治癒はせず、年齢とともに悪くなる

精索静脈瘤は進行性の病気です。そのため、年齢とともに悪くなっていき、精子や男性ホルモンを作る機能が低下してしまいます。自然治癒は期待できません。近年男性の精子の質も加齢で低下し、女性と同じように35歳を境に妊娠率が低下することが分かっています。この傾向は、精索静脈瘤など不妊要素があると顕著になります。

男性更年期障害のリスクも上がる

精索静脈瘤があると必ず不妊になるわけではないですが、例え妊娠できたとしても将来男性更年期障害になるリスクが高いです。男性更年期障害は疲れやすさ、筋肉がつきにくくなる、ED、気分が落ち込むといった症状が出る病気です。男性ホルモンの低下が原因で精索上静脈瘤とも関連があります。将来の男性更年期障害と不妊のリスクを減らすためにも根本的な治療をしておいたほうがいいです。

どんな人が手術が必要?

・精液検査の結果が悪い
・不妊
・痛い
・精巣が小さい
場合で、医師の診察でシコリが触れる(grade2以上)場合には手術の適応です。

手術がオススメ

以上のように薬を飲んで様子を見ていても根本的な解決にはつながりません。手術を受けることで約70%の人が精液検査の結果が改善し、不妊で悩んでいた人の25-50%が自然妊娠できます。また、女性側も含めた不妊治療全体にかかる費用を節約できることが科学的に証明されています。手術は日帰り1時間ほど、上手い執刀医がやれば痛みはほとんどないです。

手術についてもっと知りたい方は下記リンクをご参照ください。
精索静脈瘤は手術で治る。保険適応で不妊治療を効率化。

それでも手術が怖い場合

ひとまず男性不妊外来を受診し、精液検査などの結果から自然妊娠が不可能ではないと判断されたら、薬の内服だけで少し様子をみることも可能です。精子の作られるサイクルは約74日なので、3か月ほど内服しながら妊活を続け妊娠できるか様子を見ます。それ以上子供を望まなければ手術をしないという選択肢もあります。精索静脈瘤は進行性の病気で、一人目は大丈夫だったのに二人目が生まれない「二人目不妊」の78%をしめる病気なので、二人が欲しいなら手術をオススメします。

二人目不妊についてもっと知りたい方は下記リンクをご参照ください。
二人目妊活がうまくいかない。二人目不妊の原因は男の精索静脈瘤?